遣隋使・遣唐使が大海原を越えてようやくたどり着いた中国。そこで出会った人びとの姿に、彼らは大いに驚いたことでしょう。
隋・唐時代に貴族の墓に納められた陶製人形(俑)は、当時の人びとの姿を実によく示しています。宮廷に仕えた役人や武人、着飾った女性たち、シルクロードをはるばるやってきた西方の人びとなど、さまざまな人びとがあり、また馬に乗る姿や、楽器を演奏したり踊りを踊る姿など、当時の人びとのさまざまな活動の様子を見ることができます。これらを通して、遣隋使・遣唐使が感じた驚きの幾ばくかが我々にも感じられることでしょう。
中国では、陶製俑を副葬する習慣は長きにわたって行われましたが、隋・唐時代の俑は造形の精緻さや装飾の華麗さで群を抜いていると言えます。本展では隋・唐時代の人物俑82点を中心に、さらに人びとのまわりに存在した動物や器財などの陶製明器15点を加えて、隋・唐時代の人びとの華やかな生活をかいま見ることとしましょう。