加賀友禅技術保存会の主催で毎年開催されている伝統加賀友禅工芸展は、石川県における新人友禅作家の登竜門であり、各年の受賞作は加賀友禅の優れた意匠や技術を受け継ぎながらも、新鮮なアプローチを見せる作品が選ばれています。また作家としてあまり表に名前が出ない引染や糊置の技能に対する賞が設けられていることから、友禅という文化財に対する保存会の誠実な姿勢がうかがえます。会員たちの円熟した技術の作品も毎年、目を楽しませてくれます。
今回の展示では、歴代の展覧会での金賞受賞作品に加えて、中町博志・柿本市郎・高平良隆・由水煌人・上田外茂治・杉村典重・二代由水十久の7名の会員の作品を併せて19点を一堂に展示します。5月31日から6月5日まで香林坊大和で開催される、今年の第29回伝統加賀友禅工芸展と併せてご覧ください。