黄金崎クリスタルパークは、これまで、国の内外を問わず優れた現代ガラス造形作家を紹介する展覧会を行ってまいりましたが、このたび、開館10年目にして初めて、異色の展覧会を開催することとなりました。今回取り上げるのは、近年多彩な活動を展開している片岡鶴太郎氏です。
氏は、タレントや俳優としてばかりでなく、現在は画人としても注目される存在になっています。身近な素材を軽やかな筆致で捉えたユーモアあふれる数々の作品は、多くの人々に親しまれています。1995年の初個展にはじまり、毎年の個展開催、そして氏の作品を常設展示する美術館の設立等、これまでも様々な場で作品が発表され、評価もされてきました。その芸域は画業のみにとどまらず、いけばなや着物の絵付、最近では陶芸や漆芸など、多方面に及んでいます。
本展は、洋画家小出楢重に感銘を受けたことがきっかけとなり始められた「ガラス絵」と、ガラス工房でマイスターたちと共に制作されたガラスの立体作品から構成されます。氏の芸術の新境地を、この機会に是非ご覧いただくとともに、新しい分野へ意欲的に挑み続ける氏のエネルギーをそこから感じていただきたいと考えます。