富士美術館では、このたび富士美術館の日本美術コレクションの中から、「日本の美・江戸の華」を開催します。
江戸時代前期に江戸で活躍した狩野派の尚信・益信をはじめ、京都と大坂を中心に、桃山時代の絢爛豪華さを受け継ぎながら、独自の町人文化を発展させた俵屋宗達、本阿弥光悦など琳派の絵師たち。
また江戸時代中期から後期にかけての絵画では、池大雅、谷文晁などの文人画派による自由闊達さの中に繊細な技法が光る山水画。そして江戸時代後期には、江戸庶民に人気のあった美人画、役者絵などの浮世絵に、風景画という新しいジャンルを打ち立てた葛飾北斎、歌川広重など浮世絵版画の数々。
さらに江戸時代に在位した天皇の書(宸翰)、華麗な蒔絵による漆工芸、伊万里・古九谷の陶磁器などの名品があり、江戸時代の美術の主要なジャンルを、総合的に鑑賞していただける約50点の展示内容となっています。
この機会に一人でも多くの方々にご鑑賞いただき、百花繚乱に咲き誇った江戸美術の華を、存分に堪能していただければ幸いです。
[主な作品]
絵 画
源氏物語図 狩野派 江戸時代前期
白菊図屏風 長谷川派 江戸時代前期
春秋草花図 伝俵屋宗達 江戸時代前期
四季花鳥図 山本梅逸 江戸時代後期
書 跡
宸翰 色紙[重要美術品] 後陽成天皇 江戸時代前期
浮世絵
富嶽百景 葛飾北斎 天保5~6(1834~35)年頃
富士三十六景 歌川広重 安政5年(1858)
漆工芸
松竹梅蒔絵提重 江戸時代
陶磁器
色絵山水鳥文大皿 古九谷様式 江戸時代