おもちゃの歴史は、有史以前までさかのぼるといわれています。時代を問わず、そして洋の東西を問わず、人間はおもちゃに夢やあこがれを託し、また日々の生活に潤いをもたらす存在として、大切に扱ってきました。それゆえに、おもちゃには時代ごとに多様な価値観が反映されており、社会や世相を映す鏡としての性格も見いだせます。おもちゃは個人と社会、双方と緊密に関わりながら、人間とともに歩みをすすめてきた希有な存在なのです。
国内有数の玩具メーカーである株式会社バンダイは、「ロンドンおもちゃ・模型博物館」と「日本玩具資料館」からコレクションを受け継ぎ、総数2万点を超えるおもちゃを所有しています。19世紀から現代まで、ヨーロッパや日本のおもちゃを網羅するコレクションは、世界的にみても大変貴重なものです。
本展ではバンダイ・コレクションから代表的なおもちゃ400点あまりを精選してご紹介いたします。実車を正確に再現した鉄道模型、ドールハウスやテディベア、懐かしいブリキ玩具からキャラクター玩具に至るまで、バラエティ豊かなおもちゃが続々と登場します。世代を超えて、多くの方々に楽しんでいただきたい展覧会です。