15年ぶりの開催となる、初期から絶作までの回顧展
エコール・ド・パリを代表する画家の一人であるモイーズ・キスリング(1891―1953)。ポーランドに生まれたキスリングはクラクフの美術学校に学び、故郷を離れてパリへと向かいます。社交的な性格であったことから、モディリアーニ、ピカソ、ブラック、藤田嗣治、パスキンら多くの画家たちと親しく交わり、「モンパルナスの帝王」とうたわれるほど、社交界の花形となったのです。キスリングはモンパルナスのキキらをモデルにして、魅力的な女性像を多く残し、その人物像は憂いをおびた表情を見せると同時に官能性もたたえています。この他、静物、花、人物、裸婦、風景など多数の作品を誕生させ、そのつややかな質感と鮮やかな色遣いは画家の真骨頂ともいえる点です。
生誕100年を記念して行われた展覧会以来、日本においてはおよそ15年ぶりとなる本格的な回顧展となる本展覧会では、プティ・パレ美術館(スイス・ジュネーヴ)のコレクションを中心として、国内所蔵の作品なども加えた油彩画60点あまりを公開します。キスリング独特の濃密な表現を堪能していただけることでしょう。
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