リュミエール兄弟がシネマトグラフを発明したのが1895年。それから100年あまり、ロマンスやサスペンス、サイエンス・フィクションなど多彩な映像を世に送り出してきた映画は、20世紀を象徴する文化としての地位を得るとともに、視覚芸術や音楽などの表現領域にも影響を与えてきました。
この展覧会は、100年に及ぶ欧米映画史とともに展開してきた映画ポスターに焦点をあてたものです。映画ポスターを専門に収蔵するロンドンのリール・ポスター・ギャラリーを中心に、個人所蔵家、サントリーミュージアム[天保山]、ユニバーサル・スタジオのコレクションのなかから、厳選された名作映画140作品のオリジナル・ポスター150点あまりをご紹介します。
上映作品のエッセンスを瞬時に伝え、人々を劇場へと誘いながら、映画史を彩り続けてきたこれらのポスターには、科学や音楽、ファッションなどの世相が色濃く反映されています。本展では、こうした過ぎ去りし日の記憶を鮮やかに呼び起こす映画ポスターの歴史をたどりながら、映画の世紀=20世紀の文化の一ページを振り返ります。