アール・デコ(フランス語で「装飾芸術」の意味)とは、1925年にフランスで開催されたパリ万博(通称アール・デコラティフ博覧会:これがアール・デコの語源)を頂点として、世界に広まった芸術様式です。
交通の発達や女性の社会進出といった世相を背景に生まれ、力強い直線や幾何学文様を多用した、シンプルで機能的な様式です。身近な例では、大正のモダンガールをイメージしてみて下さい。モダンデザインの源流とも言われるアール・デコは、現在でも全く古さを感じさせません。より高く、より速く、より自由に、より遠くへ・・・人々の願望のままに、産業技術の発達したこの時代には、大量生産された商品が安価で手に入るようになりました。そのためアール・デコは、大衆の文化として広まっていったのです。鉄・電気・石油さらに機械による技術革新の文明と共に、急激に発展していく都市の中で生きた当時の人々を思い描きながら、本展をご覧ください。