美貌と精緻な演技による、格調の高さとリアルな心理描写の女形芸で、戦後歌舞伎界の頂点を極め、今年3月31日惜しまれつつ永眠された、人間国宝故六世中村歌右衛門氏。本展は、生前、歌右衛門氏より世田谷美術館へご寄贈いただいた歌舞伎の人気演目「助六」の打掛衣裳6点のお披露目展です。この打掛は、歌右衛門氏が花魁揚巻役で着用されたもので、その絵柄は、前田青邨、堅山南風、山口蓬春、橋本明治、東山魁夷といった日本画の巨匠たちによって直接描かれたものです。本展ではこれらの打掛に歌右衛門氏の生前の演技を偲ばせる写真パネルなどを加え、ご紹介します。 その他、日本画や現代美術など当館の収蔵作品を展示します。