広重の五十三次の大正時代版を気取って制作された「東海道五十三次漫画絵巻」。これは大正10年(1921)に、18人の新聞漫画家たちによって水彩画風に仕上げられた肉筆の寄書絵巻です。この中には、岡本一平、近藤浩一路、下川凹天らが参加しており、中でも細木原青起(1885-1958)は、岡山県津山市生まれの郷土ゆかりの画家です。今回の特別陳列のきっかけとなったのは、当時150本作られた絵巻のうちの2本が当館に寄託されたこと。各作家の個性豊かな表現を紹介し、あわせて広重の「東海道五十三次」、池田遙邨筆「昭和東海道五十三次」(倉敷市立美術館蔵)も展示します。