「人間風景」のテーマは人間のいる風景、そして人間の作り出した風景です。古来の山水画、浮世絵風景版画などの風景には人間の営為がちりばめられ、疑似体験として人々の様々な感情を駆り立ててきたものです。折しも千葉市美術館には、18世紀英国で流行した眼鏡絵セットが新しくコレクションに加わります。当時の人々はレンズの向こう側の虚像に何を思ったことでしょう。 また今日、風景表現のあり方も時代に応じて変化しつつあります。敢えて人間を捨像した風景が却って人間らしい感情を喚起することもあるものです。この展覧会ではコレクションの古今の作品より、かくなる人間風景を選び、美術に表された人間の営みをお楽しみ頂きます。