エミール=アントワーヌ・ブールデル(1861-1929)は、20世紀の彫刻家を代表するひとりであり、新潟市美術館には「アポロンの首」、新潟市庁舎には、充実した見事な構成に優美さを兼ね備えた、世界でも最も大型の「ペネロープ」が設置されている。 ブールデルは、南フランスのモントーバンに生まれ、トゥールーズの美術学校で学んだ後にパリに出て、ロダンの下で15年間助手として働いた。やがて彼は、その記念碑的な作品「アポロンの 首(頭部)」(新潟市美術館蔵、パリ・ブールデル美術館他蔵)によって、ロダン彫刻の写実性から抜け出して、構成的で、建築的な、独自の表現を確立したのである。代表的な作品としては、「アポロンの首 (頭部)」の他、40数種類に及ぶ「ベートーヴェン」の連作、「弓をひくヘラクレス」、「アルヴェアル将軍の記念碑」などが知られる。1949年6月4日に、彼の住居及びアトリエだった建物を使い、パリのモンパルナス駅に近くにブールデル美術館が落成した。 本展では、ブールデル美術館所蔵の彫刻75点、絵画・デッサン48点、計123点を展示し、既に馴染み深い人びとを始め、ブールデル芸術に初めて接する人々に彼の芸術を紹介する機会とします。