田宮話子(たみやわこ)は静岡市に生まれ、東京藝術大学大学院後期博士課程を修了後、国内外の多くの展覧会に数々の作品を発表し、多大な賞賛を得てまいりました。本県においては、平成14年度静岡県文化奨励賞を受賞し、同年より常葉学園大学造形学部において後進の指導にもあたるなど活躍しています。 田宮の描く日本画の多くは女性像です。古くから女性は描かれる対象としてあり、美人画というジャンルは男性によって確立されたものでした。そのような中で田宮は、普遍的で豊かな美しさをたたえる独自の女性像を築き上げました。それらは慈愛に満ち、多くの人々の心を癒しています。 今回の展覧会では、初期の作品から様々な模索を試みた学生時代の作品、さらに近年に代表される「香具(久)の国」や「波にタチバナ」のシリーズなど新進気鋭の女流作家が真摯にとりくんだ作品約60点を一堂に展示します。田宮の半生の画業を振り返るとともに、21世紀の新しい日本画の動向を探ります。