神奈川県が本格的に観光県をめざしたのは、関東大震災から復興した昭和初めのことでした。国を挙げて外国人観光客の誘致活動が計画されると、これに応じて県では観光事業の施策を本格的に開始します。昭和6年には観光関係の組織や団体を集めて神奈川県観光連合会を結成し、それを窓口に観光客招致活動にとりかかります。ポスターやリーフレットなど宣伝活動を重要視し、リーフレットの原画を鳥瞰図画家吉田初三郎に依頼しています。その原画「神奈川県鳥瞰図」が、平成16年に神奈川県庁内で、制作から70年ぶりに発見されました。 本特別展は、その「神奈川県鳥瞰図」を当館で公開するとともに、絵が描かれた20世紀前半のかながわの観光文化にかかわる特色について、観光案内書、ポスター、写真、絵葉書、駅弁、絵画などの資料や作品により紹介し、かながわの近現代史の一面を明らかにします。 展示構成 1.観光県 かながわ 2.旅行者をむかえる 3.旅行の楽しみと思い出 4.旅行を描く 展示数:約150点