「鉄炮伝来」-日本人がはじめて鉄炮というものを知ったのは1543(天文12)年のことでした。
外来文化であった鉄炮は、それからおよそ三世紀の間に独自の発達を遂げ、わが国の政治・社会・軍事・技術などさまざまな方面に影響を与えます。そして幕末維新をむかえると、欧米の軍事技術がとりいれられるようになり、1868(明治元)年の戊辰戦争で前近代の鉄砲の歴史は幕を閉じ、新たに近代鉄砲の歴史が始まります。それは「第二の鉄炮伝来」ともいえる大きな変革でした。
本企画展示では、この一連の過程を、新発見のものを含む膨大な資料を使ってみていきます。
また歴博は、日本の三大鉄砲コレクションとして定評のある吉岡新一鉄砲コレクション・安齋実炮術関係資料・所荘吉鉄砲コレクション(一部)を蒐集し、実物資料・文献史料は質量ともに日本最大を誇っています。今回の企画展示は、長年にわたるこれら蒐集資料の紹介と研究成果の集大成となります。