昭和初期より創刊された「キンダーブック」などの児童向けの雑誌に描かれた挿絵は、子どもたちの心をつかみ、大変な人気を得ていました。このような雑誌を中心に活躍し、子どものための絵画(童画)を描きつづけた童画家に、林義雄、鈴木寿雄、武井武雄、川上四郎、黒崎義介、井口文秀がいます。彼らは「童画もまた芸術でなければならない」との信念のもと、童画の存在をアピールし、その後の発展に大きく貢献しました。現在では、それらの作品は子どもたちだけでなく、幼い頃童画に親しんだ大人たちをも魅了しています。足立美術館ではこれらの6名が描く、感性豊な作品を数多く所蔵しています。
本展では、特別企画として童画や童塑(陶土で作った立体作品)などあわせて約60点を一堂に展示いたします。また、現在でも個展を中心に作品を発表しつづけている林義雄が99歳から100歳の時に描いた作品3点を初公開いたします。ほのぼのとした温かさが伝わる作品をご家族そろって楽しんでいただけることでしょう。