永井一正(1929~)は日本を代表するグラフィックデザイナーです。その活躍はワルシャワ・ポスター・ビエンナーレなどで国際的に高い評価を得ています。また、私たちの身の周りにある永井一正のデザインとして、一九七二年 札幌冬季オリンピックの公式ポスターや、アサヒビール株式会社のシンボルマークなどは印象にあるのではないでしょうか。
今回は1987年から始まった永井一正のライフワークである、動物シリーズのポスターを紹介します。人間と動物との共生をテーマに、そのほとんどが手描きによって制作されています。それらに日本絵画の伝統美を取り入れ、古来より伝わる動物の神秘性を感じさせてくれます。また近作では、銅版画の技法を取り入れ、常に新境地を開拓し続けています。 永井一正のイメージを造形化した動物ポスターには、生命の尊厳とそれを取り巻く自然環境への問いかけが込められています。ポスターの動物たちと来館者の皆さんが視線を交え、ともに生きる意義を本展から分かち合っていただきたいです。
展覧会構成にあたっては、永井一正作品を収蔵する群馬県立館林美術館の協力を得て、1987年~2004年にかけ制作された、動物ポスター約100点を紹介します。
また、展示室の一部を使い、この年に奈良市の公立小学校に入学した新1年生による合体展「いきもの大好き」 はがき絵大集合も同時開催いたします。