立原道造(1914~1939)は、青春の憧れと悲哀を音楽性豊かな口語で謳いあげ、堀辰雄らが主宰する「四季」「第2次」の詩人として活躍しました。
また、道造は、将来を嘱望された建築家でもあり、東大在学中は辰野賞を3年連続受賞し、浅間山麓に構想した芸術家コロニイや、小住宅・ヒアシンスハウスなどの設計思想は、今日まで語り継がれています。
草野心平(1903~1988)は、昭和14(1939)年発行の「四季」第47号立原道造追悼号に、「立原道造追悼」を寄稿しました。
本展では、心平が追悼文で、「立原道造よ。自分はあなたが好きだつた。」とし、「彼の作品に就いてはいひたいことが満ちてゐるままで、これを止めなければなりません。何れなにかの機会に改めてふれたい。」としたまま果たせなかった道造の作品世界の魅力を、心平の生誕の地で描こうと試みます。