五百蔵一夫氏は、昭和9年に高知県に生まれ、高校在学中から写真に興味を持ちました。高校卒業とともに兄を頼って益田に移りました。定年退職後、本格的に写真を撮り始め、毎日のように石見の山や海を巡って撮影を続けました。
1年半後に病魔におかされた後も、闘病生活の間、時間をみつけては山に分け入り、石見の自然を撮りました。わずか2年余の写真家としての活動でしたが、作品には小さな生き物や移りゆく季節への愛情があふれ、見るものの心をうちます。
作品は、「家族の喜ぶ顔がみたい」という一心で撮影され、コンテストなどにもあまり出品されませんでした。このたび、ご家族の協力で、代表作を含む約40点の作品を展示します。石見をこよなく愛した一人の写真家の「生きた証」をご覧ください。