バルビゾン派から印象派を経て、エコール・ド・パリにいたるフランス近代絵画の流れをほぼ網羅しています。特にルノワールが身近に接したモデルや子どもたちを描いた肖像画や、ドガがその抜群のデッサン力を見せる踊り子や湯浴みする女性像などは、小品ながら両巨匠の特徴を示す珠玉の作品群といえます。また、モネの《ルーアン大聖堂》(1892年)、ピサロの《テアトル・フランセ広場、陽光の効果》(1898年)など、それぞれの画家の代表作、さらには、ロートレック、ゴッホ、ゴーギャン、マティス、ピカソ、ユトリロ、ローランサンらを加え、日本の美術愛好家にとっても、馴染みの深い作家による親しみやすい内容となっております。なお、ルノワールの晩年の力作《水浴する女性》(1915年頃)は、1996年の盗難によりダメージを受けたものの、その後修復によって甦った作品です。