東京都写真美術館では2002年から、写真表現の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、写真愛好者やひろく一般層に向けて、現代の写真映像文化を紹介することを目的とした[日本の新進作家展]を立ち上げ、毎年、新進気鋭の作家によるグループ展を開催しています。これまでに「風景」「幸福」「花」といった普遍的なテーマに基づいて現代写真家や写真というメディアを用いる現代美術作家を広く一般に向けて紹介してきました。開館10周年を迎えた2005年度(2006年)の新進作家展は、「私性(プライベイト)」を全体テーマとして、現代の写真表現をこれまでより多様な観点から検証します。本展は、「現代写真」や「現代美術」またハイカルチャーやサブカルチャーといった複数の文化領域に分化・棲み分けされた状況である現在のシーンを連続したものと捉え、ゼロ年代(西暦2000年以降)をひとつの展覧会として提示することを目指します。日本および海外で、2000年以降に頭角をあらわしてきた若手・中堅作家のうち、7カ国から15作家/グループを取り上げ、写真映像の新たな可能性や価値観を問いかける展覧会とするものです。