第7回堺市所蔵美術作品展では、堺出身の竹芸家で人間国宝でありました二代前田竹房斎の作品を展示します。
父、初代竹房斎は、竹の地下茎の曲がりなど、自然の竹の形を生かしたいわゆる「堺手」の名工でした。
二代竹房斎は、父の工房で竹割などの下職から修行を始めましたが、戦禍や父の病のため、初代の技を学ぶこともかなわず、独力で修練を重ね、昭和27年に「二代竹房斎」を襲名しました。
戦後はデモクラシーの空気に呼応するように、壁画装飾やオブジェといった、従来の工芸の枠にこだわらない前衛的な作品を制作し、日展等の団体展に出品していました。
昭和40年代に入ると、伝統工芸の継承と発展を目指す日本工芸会に入会し、現代における伝統美を追求しました。
染色など他の工芸分野も探求し、細い丸ひごの透文を幾重にも用い、精密かつ高度な技術で、理知的で気品に満ちた作風を確立し、平成7年には「人間国宝」(重要無形文化財「竹工芸」保持者)に認定されました。
今回の展示では、二代竹房斎と共に初代の作品も展示し、60点余で竹房斎の美の世界をご覧いただきます。